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【今月の特集】「老後こそ悠々マンションライフ」注目されるワンルームマンション

かつて「ワンルームマンション」という言葉がよく使われた時がありました。当時のワンルームマンションの多くは、決して広いとは言えない居住スペースでしたが、都会に立地した職住接近の利便性から、独身者や所帯を持ったばかりの若い人たちに人気がありました。
その背景には、衣食に満ち足りた都会において、必要最低限のスペースでの生活に不自由を感じない合理性を求める若者文化もありました。 しかし、その時代の若者たちの多くが年齢を増して、独身者は結婚し、さらに子供が誕生して子育てに相応しい環境を求めて郊外の比較的ゆとりある住宅へと移り、ワンルームマンションを必要とした世代人口の数は以前ほど高くはなくなりました。
では、日々の生活に高い利便性を誇った都会のワンルームマンション需要はすでに過去のものとなったのか、というと決してそうではないと思われます。
わが国における年齢人口分布は、60歳以上の高齢者の割合が大きく膨らんで、図形にすると逆三角形のような形となっています。 そして、こうした高齢者層のなかにあっては、未だ元気に働き続けておられたり、リタイヤ後も趣味を楽しまれていたり、というように健康的な暮らしを営まれている方が少なくありません。 そして、そうした高齢者にあっては、子供世帯、孫世帯と離れての生活を選択するというスタイルもあります。
高齢者層のライフスタイルを支えるのは、日常のショッピング施設から、医療施設、行政機関が整い、さらに住居から各種施設への移動手段としての交通システムの充実など、都会は様々な機構・機能の集約された場所です。
そこに立地するマンション、しかも多くの居室、居住スペースを必要としない高齢者世帯にあっては、都会のワンルームマンションほど、ジャストマッチした住宅環境はないとも言えます。
自宅内で過ごすことの多い高齢者にとって、ワンルームマンションは狭すぎないか?というようなことを言われる方もいらっしゃいます。確かに、何室もあるような大きな郊外の住宅に住まわれていた方が、都会のワンルームマンションに移られるとしたら、かなりの抵抗感があるに違いありません。
しかし、老いてからの日々の暮らしを考えてみて下さい。これまで子供たちが使用していた居室を使うことなどは殆ど無く、むしろ、二階の寝室から調理のためにキッチンへ上がり下りすることの方が苦痛だと感じられてはいませんでしょうか。浴室やトイレが寝室から遠く離れているようなお住まいでも同じことが言えます。
できる限り身の周りに生活必需品となる物や道具類を置く、さらにキッチンと食卓、そしてベッドもソファーもバリアフリーの開放的な居室にあればかなり使い勝手がよいはずです。それこそが都会のワンルームマンションによって叶えられるとしたら、高齢者にとってこれほど理想的な住まいはない、ということになります。
今回は、そのことについて考えてみたいと思います。


高齢者に相応しいマンションとは
都会のワンルームマンションは、最初から高齢者用として設計されたものでない限り、多くはそのニーズの特質から若者や単身者用として造られています。
そのままでも住めないことはありませんが、やはり老後の快適な暮らしのためには、相応しいマンション選びやそこでの工夫、改善施策等が必要となります。

マンション選びのポイント
高齢者がマンションを選ぶうえでのポイントは、そこでどのような生活をするか、その生活シーンを想定してみることが大切です。もちろんこのことは、高齢者に限ったことではなく、全ての世代において住宅を選ぶ上で重要な判断材料となります。

「立地環境」
マンション近辺に日常生活において必要なモノが整えられる(買うことのできる)施設があるかどうかを知る。
たとえば、食料品や医薬品、日用雑貨のお店があるかどうかなどを確認します。 「交通の利便性・安全性」
最寄りのバス停や電車の駅などまでの距離を確認します。
また、その道程における安全性(車両の交通量や歩道の整備状況など)が確保されているかどうかも確認します。 「エレベーターと通路」
5階建て以下の低層集合住宅の場合は、エレベーターが完備されていないこともあります。
エレベーターは、車椅子などを利用される場合には必要なものですから、1階より高い層に住まわれる場合は必須の確認事項となります。 また、車椅子のまま乗降でき、ボタン操作が出来ることや、車椅子の通れる通路、スロープの有無なども要確認事項です。 「占有使用部分における改造の可否」
マンションなどの集合住宅においては、共有部分はもちろんですが、占有使用部分であったとしても安易な改造は認めないとするところもあります。
個々のマンションによって異なり、細かく規定されているところもありますから、確認が必要です。
多くの場合は、改造する前に管理組合などに申請をして了承を得た後に、他の居住者に迷惑が及ばないようにして行います。
「窓からの眺望」
「若い頃はあまり気に掛けることもなかったのですが、年齢と共に遠くの景色を眺めることが多くなりました」と言われる方がいらっしゃいます。 確かに遠くの青い山並み、空を赤く染めて沈む夕日、何とも情感あふれる景色が想像されます。
そんなパノラマビューをゆっくりと眺めて楽しめるのもマンションライフの究極の選択肢として加えてみて下さい。
特に、自宅で過ごされることの多い高齢者には大切な選択項目となるのかも知れません。


マンションライフの工夫
ご自分で選ばれたマンションとはいえ、そこが高齢者に快適な住まいであるためには、住まう人のライフスタイルに合った工夫や改善を行うことが望ましいでしょう。
◆手摺の取付
玄関から部屋への廊下、部屋のドア付近の壁面、洗面、トイレ、浴室などには手摺を取り付けます。
これは、近い将来、必要になるかも知れない場面のための準備です。 何もそこまで考えなくても、と思われるかも知れませんが、室内での転倒事故は健康な若い方でも少なくありません。

◆ドアの変更
室内に設けられたドア類の多くは、ドアノブを押したり引いたりして開閉するタイプですが、これは高齢者にとっては思いのほか使い勝手の悪いものです。引き戸タイプに変えるのがよいのですが、そのためのスペース確保の難しいときは、アコーデオン式ドアにします。プライバシーに差し障りがなければ思い切って室内のドア類を取り外してしまうのも一考です。

◆普段よく使うモノの置き場所
日用品や道具類などの置き場は、一定の高さに整えるととても使いやすいものです。例えば、椅子やソファーに掛けることの多い生活では、その状態のまま手の届く高さの位置となる、テーブルなどにモノを配置します。
また、立ち歩きすることの多い場合は、しゃがみ込んで持ち上げる動作をしなくてもよい高さ、腰高位のところに物置棚等を配します。さらに、和室など座り位置では、その状態でというように工夫します。

◆浴室の改善
入浴は、単に身体を清潔に保つだけでなく、温浴の様々な効用により心身のくつろぎや疲れを癒してくれます。高齢者が入浴しやすい浴槽は、入りやすさ出やすさなどから浅めの方がよいと考えられます。
もともと浅いものを深いものに変えるのは大変ですが、その逆ですから比較的簡単に交換出来るでしょう。
また、毎日入ることを考えると湯量が少なくてすむことから経済的といえます。

◆趣味のコーナーづくり
高齢者に限らず自宅は誰もが落ち着ける場所です。
そこで、自宅に居ながらにして老後をエンジョイできるよう、居間の片隅に趣味コーナー設けてはいかがでしょう。テーブルと椅子を置いて工作をしたり、何かのコレクションを飾ったり、時には同好の仲間を誘って趣味談義に興じる場とされるのもよいでしょう。住まいの積極活用し、毎日を明るく楽しく過ごすための工夫は、まだまだ色々と考えられます。


 


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